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  • 2017.10.22 Sunday
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リストラ@KCL。

国際的な経済危機にあって、大学・教育予算が削られるというのはどこも一緒のようです。キングス・カレッジ・ロンドンも、古文書学や哲学など人文系研究者をリストラするという改革案が大々的に報じられ、研究者やメディアの批判を受けている模様。社会科学・公共政策学部に属し比較的資金調達に成功している(ように見える)戦争学科でさえ、今以上にアメリカから交換留学生を集めるために「政治学科」などに変更しろと要求されたという噂を聞きます。

同じカレッジの話と言うことで関心を持って情報を追っていますが、批判の矛先の違いが気になりました。昨年末、日本では教育・研究関連予算の縮減を提言した事業仕分けが問題になりましたが、この際批判されたのは基本的には政府。イギリスでも、10%近くの大学助成金削減を号礼したのは労働党政府ですが(小さな政府路線の保守党は、助成金削減をむしろ歓迎。スコットランド議会は教育予算を増額するというニュースも)、批判に晒されているのは国ではなく大学。この背景には、各ユニヴァーシティ/カレッジがイニシアチヴを取って独自に改革を進めていることがあると思いますが、日本でも今後そうなっていくんでしょうか。

キングスのリストラに関しても、どうも予算配分の変更という意味合いもあるみたいで。イギリス現代史の研究センターがキングスに移ってくるなんてが本当だとすれば、個人的には複雑な感情を持たざるを得ません。

カンファレンス報告者決定。

今年三月開催のハドソントラスト海軍史カンファレンスの報告者が決定しました。発表の公募、選定まで全て三人の院生で行っていますが、地の利、時の利を得たのか非常に多くの応募があってかなり大変な作業となりました。今月13日に雪が降る中オックスフォードまで電車で行き、なかなか幻想的な景色を見つつマートン・カレッジ(Merton College)のコモンルーム(Middle Common Room, MCR)で延々六時間話し合った結果は、以下の通り。

Panel 1: Manning Navies
* Samantha Cavell: From Shortage to Surplus: Crisis in the Creation of Young Officers, 1790-1815
* Daniel K. Benjamin: Golden Harvest: The British Naval Prize System, 1793-1815
* Jeremiah Dancy: A New Look at Naval Impressment: Myths and Reality of Royal Navy Manpower, 1793-1801

Panel 2: Preparing Navies
* Gareth Cole: The Office of Ordnance and the Supply of arms to the Royal Navy, 1780-1815
* Hiraku Yabuki: Precursor to Fisher's Reforms: A Perspective from China and Australian Stations, 1901-1904
* Marcus Faulkner: The B-Dienst and the Kriegsmarine: Organization and the role of signals intelligence within the German Navy during the interwar period, 1919-1939

Panel 3: Thinking Navies
* Gabriela Frei: The Influence of International Maritime Law on Naval Strategic Thinking in Great Britain, 1870-1889
* Greg Kennedy: Friend or Foe: Britain's Assessment of the United States as a Naval Power, 1904-14
* Arrigo Velicogna: Road to Failure: Imperial Japanese Navy tactics, technology and doctrine, 1918-1940

Panel 4: Peace-Keeping Navies
* Britt Zerbe: The War of American Independence and the Creation of an Imperial Rapid Reaction Force
* Joshua D. Newton: Support to Suppression: The Navy and the Atlantic Slave Trade, 1790-1820
* Howard J. Fuller: 'As amiable as invincible': Ironclad-Monitor U.S.S. Monadnock, Naval Power-Politics & the Spanish Bombardment of Valparaiso, 1866

Panel 5: Fighting Navies
* Tim Voelcker: The Effectiveness of Not Using Naval Firepower
* Robert Johnson: Projecting its Strategic Power: The Royal Navy & the Anglo-Persian War, 1856-57
* Holger Afflerbach: 'Sinking with Flying Colours?': Surrender in European Navies from Elizabethan to Our Times

この他、二人の著名海軍史家(Prof Andrew Lambert & Prof NAM Rodger)による基調講演に加え、アメリカ・オーストラリアの研究者も交えてパネルディスカッションが行われます。すでに座席もほぼ埋まっており、前評判は上々のようですね。

強襲揚陸演習を見てきました。

HMS Albion Marines landing Tank landing

あけましておめでとうございます。

さて、本日はポーツマスで実施された強襲揚陸(Amphibious Assault)の演習を見てきました。HMSアルビオン(HMS Albion)を中心とする揚陸特務部隊(UK Amphibious Task Group)の訓練の一環で、近々一連の演習が終わると常時五日以内に展開可能な即応部隊としての準備が完了するとのこと。3名のKCLの博士課程院生と参加させていただいたのですが、他にはシンクタンク研究員、ジャーナリスト、保守党議員も来ていました。ポーツマス軍港から揚陸艇でHMSアルビオンに移動し、艦内ツアーの後ビーチへ移動して演習見学、という日程。演習では偵察部隊の上陸に始まり、本隊を待っての侵入の他、ヘリによる上陸や戦車等の揚陸なども実演されました。

同行した院生は皆元々軍との関係が深く(英国海軍ともコネのある兵器マニア、元イタリア陸軍士官、台湾空軍士官)、いろいろと細かい話を聞くことができたのは収穫でした。自分は兵器やら現代の強襲揚陸などについては無知もいいところですが、司令官、艦長、副長とも話せましたし、艦内ツアーでもいろいろな部署の方に会うことができ、多少なりとも艦の雰囲気のようなものを感じ取ることは出来たと思います。普段は史料から過去を再構成しているわけですが、たまには「海軍」そのものを経験しておくことも無駄ではないのかもしれません。

デイ先生夫妻との邂逅。

博論のサンプル・チャプターを近々提出しなければならない関係で(このプロセスを経て初めてPhD ‘Candidate’になれるのです)、細かい詰めのために久しぶりにThe National Archivesに通っています。比較的空きの多い閲覧室で史料を眺めていると、二年前に東大客員教官を務めていらっしゃった際にお世話になったオーストラリア人のデイ先生と遭遇しました。現在はアバディーン大学に客員教授としていらっしゃっているようで、二日後がとりあえずロンドン研究旅行の最終日と言うことでお昼をご一緒することに。

それが今日で、お昼をご一緒してご婦人のシルヴィアを紹介していただきました。先日刊行された論文をお渡しするとともに最近のご研究について伺いましたが、「占奪する社会(Supplanting Societies)」論のケーススタディとして南極に注目しているとのことで、1911-2年に日本の南極探検を率いた白瀬なる人物について熱く語っておられました。奥さんもリサーチアシスタントして大活躍していらっしゃるようです。いろいろと博論についてのアドバイスも戴いてお別れしました。

デイ先生は昨年もケンブリッジ、アバディーンに滞在していらっしゃいましたし、一体いつオーストラリアに戻られるのでしょうか(笑)。アメリカのイェール大学の先生などのように、半年は授業などをするけれども後は自由に研究に専念(で給料は一年分)、という感じだろうと推測しますが…羨ましい限りです。

Hudson Trust Conrference in Naval History

オックスフォード大学オールソウルズ・カレッジ(All Souls College)にて、2010年3月26-27日に博士課程院生が運営する海軍史カンファレンスが開催されます。ひょんなことから発起人の一人として組織委員会に名を連ねていますが、海軍関係の財団(Hudson Trust)から助成(5000ポンド!)を受けたり、著名な海軍史家に基調講演を頼んだりで意外と大規模なイベントになりました。

オックスフォード大学にはもともとプロパーな海軍史家と呼べる方はいなかったのですが、最近ニコラス・ロジャー(N.A.M. Rodger)が海軍史教授としてエクセター大学から移籍してきました。今年のカンファレンスはロジャー教授の就任祝いの面もありますが、今後も継続的に開催していくのが組織委員会の願いで、そのためにも第一回のカンファレンスを成功させたいところです。

カンファレンスのウェブサイトも作りました。ご関心のある向きはどうぞご覧下さい(報告者も募集しております)。
http://www.navalhistory.jp/hudsontrustconf/

ジェーンズ社(Jane’s Information Group)がリサーチャーを捜しています。

各国海軍の情報を網羅したジェーン海軍年鑑(Jane’s Fighting Ships)など防衛・安全保障分野の各種雑誌の発行や、コンサルティングで国際的に著名なジェーンズ社が、日本に関する資料調査に従事する学生・院生を探しています。条件は、防衛・安全保障といった分野への関心を持ち、日本の各種雑誌等を豊富に蔵する図書館(必要に応じて国会図書館等も)を利用でき、ジェーンズ社からの質問事項に対し英語で回答をまとめられることです(場合によっては、英語での質問を理解していただける限り日本語で回答していただき、それをジェーンズ社で翻訳することも考慮する、とか)。日本在住である必要はありますが、国籍は問いません。報酬はジェーンズ社の各プロジェクトの予算から支払われるため、応相談とのこと。興味のある方は、ぜひhiraku.yabuki[at]kcl.ac.ukまでご連絡下さい([at]を@に直して下さい)。

War in Historyに掲載されました。

拙稿 'Britain and the resale of Argentine cruisers to Japan before the Russo-Japanese War', War in History, 16:4 (2009): 425-446が発行されました。オンライン版はこちら

日露戦争直前に日本がアルゼンチンから購入した巡洋艦「日進」「春日」に関して、イギリスの関与の検討を通じて当時の日英関係の実態、イギリスの対日政策を明らかにしようとする論文です。日露戦争での日本勝利の背景にイギリスの支援があったというのが通説ですが、アルゼンチン巡洋艦の転売・回航を巡る事例から、イギリスが開戦直前にはむしろ厳密な中立を標榜し日本側の度重なる支援要請には応じていなかったことを論じています。

近藤和彦先生の院ゼミ、及び兵器産業・武器移転史フォーラムで報告させていただいた原稿が元ですが、その後の史料調査も含め多少の充実を図っています。日露戦争や日英関係、イギリス外交政策に関心のある方は是非ご覧下さい。

AJC2009を振り返って。

AJC2009も大過なく終了したところですが、振り返ってみると軍事史・海軍史のプレゼンスが随所に感じられた気がします。報告からもそれは顕著でしたが、コメントでも戦争との関わりや軍事史・海軍史の研究の重要性が指摘されていました。

先日参加させていただいた兵器産業・武器移転史フォーラムももそうですが、研究拠点が増えつつあるようです。もちろん各研究者がきちんとした研究を積み重ねていくのが一番重要だと思いますが、日本でもこうした基盤が整いつつあるのは心強いことです。

さて、ポスターを作らせていただいたわけですが、それに関連してちょっとしたハプニングも。二日目だったでしょうか、とある学生さんがポスターを見て、パンチ誌に関する国際会議と勘違いして覗きに来ていました。Mr Punchの影響力に脱帽。

AJC2009ポスター。

日英の歴史家が集まるAnglo-Japanese Conference of Historians(日英歴史家会議)というのが、三年おきに開催されています。今年は東京大学本郷キャンパス山上会館大ホールでの開催(2009年9月16-19日)との事。イギリス留学中の諸先輩方による若手研究者セッションもあるようなので、一時帰国したときに顔を出そうと思っています。

これに関連して、学内掲示用ポスター作成の依頼を受けたので簡単なものを作りました。→PDF[166kb]

イギリス近現代史をやっている方ならご存じであろう風刺漫画雑誌パンチ(Punch, or the London Charivari)から、挿絵を引用させていただきました。パンチ氏、地球で蹴鞠をするの図。報告のアブストラクトをお読みいただけると、何となく意図する所は伝わるんじゃないかと思います。

アジア歴史資料センター。

ガダルカナル戦について論文を書いているイタリア人から問い合わせを受けて、少しだけ第二次大戦中の第三次ソロモン海戦について調べもの。こういうときに非常に便利なのが、オンラインで史料を公開しているアジア歴史資料センターの存在です。年々公開史料が増えており、(多少内容も含めて)検索ができるのもいいですね。ただどうもアジア関連史料のデジタル化に公開範囲を限定している点が気になります。折角のプロジェクトですから、現在の史料公開に区切りが付いたら更に分野を広げて欲しいところ。

関連史料は比較的簡単に見つかりました。イタリア人戦史研究者が期待していた面白い内容ではなさそうですが、少なくとも疑問の一つを解消することはできそうです。

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