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  • 2017.10.22 Sunday
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拙訳『マハン海戦論』が刊行されます。

原書房から拙訳『マハン海戦論』が刊行されます。Alfred Thayer Mahan, Mahan on Naval Warfare, Allan Westcott, ed. (London, 1918)の全訳で、『コーベット海洋戦略の諸原則』と同様に詳細な註をつけ、地図をいくつか追加収録してあります。
 

『海上権力史論』や『海軍戦略』で有名なA.T. マハンは、生涯に二〇冊の著作を刊行しています。米海軍兵学校教授のアラン・F・ウェストコットが編集した本書は、マハンの著作のうち一三冊からの抜粋集で、海軍戦略・戦術、海軍史、海軍政策、地政学的分析、時事評論など多岐にわたる論考が四一章に整理されています。マハンの海軍戦略や歴史叙述、世界観、国際情勢の戦略的分析の核心を浮き彫りにする構成で、マハンの思想の全体像を掴むのに好適な書です。

 

本書は大きく三部に分かれており、第一部は海軍戦略と海軍戦術に関する原則に焦点を当てています。第二部はマハンの歴史叙述の抜粋で、シー・パワーの興亡、海軍戦略と戦術、指揮と統率に関するマハンの見解が浮き彫りになります。第三部は海軍政策と国家政策に関するマハンの時事評論からの抜粋で、地政学者および戦略アナリストとしてのマハンの世界観、さらにその変化が読み取れます。


類書として麻田貞雄編・訳『マハン海上権力論集』(講談社学術文庫)がありますが、編集方針が異なりますので内容はほとんど被っていません。『マハン海上権力史論』や『マハン海軍戦略』と一部内容が重複していますが、完全な新訳です。一九一八年の刊行から第二次世界大戦まで米国の海軍士官教育に利用された教科書で、訳者あとがきでは当時の米海軍の歴史教育についても言及しております。
 
既にAmazonで予約が始まっていますし、近日中に書店にも並ぶと思いますので、興味がある方は手に取っていただければ幸いです。

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拙訳『コーベット海洋戦略の諸原則』が刊行されました。

 

 

この度、原書房から拙訳『コーベット海洋戦略の諸原則』が刊行されました。Julian S. Corbett, Some Principles of Maritime Strategy (London, 1911)の完全新訳ですが、詳細な註と編者序文、附録「グリーンパンフレット」をつけて1988年に出版された米海軍研究所版を底本としています。

 

本書は、チューダー期から日露戦争までの海軍史研究に基づいて、制海とシーレーン、経済封鎖、統合作戦、限定戦争など現代にも通用する概念を理論化した海洋戦略論の古典です。コーベットの海洋戦略は現代の各国海軍に大きな影響を及ぼしており、本書には歴史的価値だけでなく現代的有用性もあります。

 

邦訳としては2006年に芙蓉書房『戦略論大系』シリーズの第八巻として刊行されたものがありますが、『史学雑誌』の新刊紹介でも触れたとおり、訳に少なからぬ問題がありました。コーベットの海洋戦略論がきちんと日本に紹介されていないことが常々気掛かりだったので(最近では日本でもコーベットの海洋戦略論を評価する論文が増えているようですが)、今回原書房から新訳を刊行する機会に恵まれたことで胸のつかえが取れた気がします。

 

なお、一部編註の誤りは編者と相談の上で修正しているほか、イギリス海軍史にあまり馴染みのない日本の読者向けに、訳註の追加や索引のアップデート、原書に含まれない地図の追加なども行っております。

 

既に各書店に並んでいるはずですし、Amazonからも購入できますので、興味がある方は手に取っていただければ幸いです。


目次:

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「イギリス海軍史研究とその利用史料」を寄稿しました。

『クリオ』第24号(2010年5月)の「欧州文書館事情」という特別企画に、「イギリス海軍史研究とその利用史料:国立海事博物館ケアード図書館を中心に」を寄稿しました。自分が研究に利用している史料の概要、そしてケアード図書館の利用方法や2009年前半の閉館をめぐる経緯などを紹介させていただきました。

『クリオ』は東京大学西洋史学研究室クリオの会が発行する院生雑誌で、毎年日本西洋史学会で販売しています。今回の企画は17人の東京大学の院生がそれぞれの研究テーマに関わる史料や文書館の紹介をするもので、英独仏露伊の様々な文書館について経験に基づく具体的な利用情報がまとめられています。個別の文書館の簡単な案内としても使えますが、これから歴史研究を進めていこうという学生・院生の方には、特に具体的な体験談が参考になるのではないでしょうか。

『クリオ』第24号は、東大クリオの会が通信販売しております。関心のある方は、東大クリオの会(http://www.l.u-tokyo.ac.jp/seiyoshi/clio.html; clionokai@gmail.com)まで。

Military Orientalism by Patrick Porter

Military Orientalism: Eastern War Through Western Eyes (Critical War Studies)Military Orientalism: Eastern War Through Western Eyes (Critical War Studies)

C Hurst & Co Publishers Ltd 2009-07-01
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上記の本について、パトリック・ポーター博士による出版記念講演がありました。同じカレッジとはいえ、より専門色が強い防衛学科(統合軍指揮幕僚大学との併設で、基本的に軍関係者の教育に携わる)に所属している方です。アルカイダやタリバン、ヒズボラなどを相手にする中で、米軍も文化的転回(cultural turn)を迎え、90年代に賛美されていたRMAから文化へと関心が遷っているとのこと。しかし、ポーター氏は、こうした文化への関心(イスラム原理主義は中世以来の文化的コードに縛られていると考え、その前提に立って米軍として取るべき行動を選択する)はしばしば誤解に満ちていると主張し、サイードに倣ってこれをミリタリー・オリエンタリズムと呼びます。

ポーター氏によれば、イスラム原理主義者は(他のあらゆる集団についても同様ですが)、むしろローカル/グローバルな政治利害の中で戦略・戦術・文化的コードを変化させる柔軟さを持ち、自らの文化的表象を意図的に広めているとのこと。CIAの女性が、自分たちにオリエンタリズムは一切無いと断言しながら、タリバンが中世の価値観で動いているとの主張を続けたという下りには、かなりの笑いが起きていました。文化は非常に重要。でも現在の文化理解は間違っている、という結論でした。

日露戦争に触れていることもあって本も一部読んだのですが、現代的関心と歴史研究が非常に上手く融合されていると思います(博士号は歴史学)。前日にはテルアビブ大学のアザー・ガット教授が「変化する戦争の性質(The Changing Character of War)」というタイトルで講演していましたが、個人的には議論も含めて今日の講演の方が面白かったな、という印象でした。ちなみに、著者の議論については、仏ルモンド紙のインタビューや米陸軍刊行の雑誌記事でも知ることが出来ます。

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